インフルエンザ治療薬の種類と違い(小児向け)

インフルエンザとは

そもそもインフルエンザは知らない人はいないと思われますが、
インフルエンザウイルスに感染することにより発症する感染症です。

なお、インフルエンザ菌という細菌も存在しますが、完全に別物です。
皆さんがよくご存じのインフルエンザは、あくまでもウイルス疾患です。

「熱が続き、症状が辛く、学校にも長期間出席停止」というイメージは
お持ちだと思いますが、現在の出席停止の基準は、学校保健法という法律で
発症から5日間が経過、かつ解熱後2日間経過」と定められています。

つまり、すぐ解熱しても5日間は登校できません。
また、極端なことを言うと、発症2日目からずっと平熱でも、5日目に再発熱したら
6日目も登校できないということになります。

ただ、たいてい診断から5日後ごろに再受診するよう主治医から言われていると
思いますので、主治医の判断次第と言うことになります。

インフルエンザの治療薬

インフルエンザの治療薬については、主に以下のようなものがあります。

なお、服用しやすさなど、子供向けの解説も多く入れています。

1.タミフル(カプセル・ドライシロップ)

日本では2001年に登場したタミフルは、インフルエンザの治療薬の中で最も
エビデンス(治療法として根拠)の豊富なお薬
と言えます。

現在の親世代が若かった頃は、治療薬と言ったらほとんどこれだったため、副作用と
思われる異常行動・子供の転落死のニュースが流れるようになった2005年頃には悪者
扱いされることが多くなりました。

そのニュースのインパクトが強かったせいで、現在でもタミフル=異常行動が怖い、
という認識の親御さんは少なからず見えますが、その後の研究により、インフルエンザ
罹患中の異常行動は薬の服用とは無関係に起こる可能性が高い
と結論づけられている
ので、タミフルの服用の有無にかかわらず、お子さんの様子はしっかり見守って
いただくことが必要です。

服用方法は1日2回、1カプセルもしくは粉1包を5日間です。

粉はドライシロップで、甘い味でコーティングしてあるものの、後味は苦みが強く、
苦みランキングを作ったら上位に入る方
だと思われるのが難点です。

2.リレンザ(吸入)

インフルエンザ治療薬で初めてとなる吸入薬のリレンザは、実はタミフルと
同時期から存在
していました。

しかし飲み薬に比べてやや手間がかかるなどの点から、シェアはほとんどタミフルが
占めていた
と思います。

大人も子供も用量は同じく1日2回で、1回あたり2ブリスターという吸入を5日間
行うのですが、これが幼児にはややハードルが高いと言えます。

筆者は年間300人ほどインフルエンザ患者のお子さんの対応をしますが、しっかり
吸入できるのは年中児で2~3割、年長児で3~4割、小学生なら半分以上はできる
かな・・・というぐらいでしょうか。中には、10歳ぐらいでも泣いて嫌がる子もいます。

ですので、未就学児のお子さんが上手に吸入できるなら、とにかく褒めてあげて
良い
と思います。

熱で朦朧としている中、吸入をさせるのも大変というのがデメリットですが、
タミフルドライシロップより苦くなくて済む、というのはメリットの1つです。

3.イナビル(吸入)

イナビルは上の2つに比べると新しいお薬です。

吸入薬ですが、メリットは何と言っても1回吸ったら治療終了、ということです。
極論、これさえ吸ったらあとは寝ていればOKです。

デメリットはそれの裏返しですが、もし上手に吸えなかったら、治療が全部失敗に
なってしまう、ということです。

タミフルやリレンザは1日2回、5日間(合計10回)なので、もし1回失敗したと
しても失敗率は10%ですが、イナビルはそうではありません。

また、吸う粉の量がリレンザよりは多いので、小さいお子さんだとさらに大変です。

4.ゾフルーザ(錠剤)

2018年に発売され、現在、インフルエンザの最も新しい治療薬です。

治療の簡便さはこれに勝るものはありません。

なんと、「錠剤を1回飲んだら治療終了」。

お薬の窓口で悪戦苦闘しながらリレンザやイナビルをお子さんに吸わせていた薬剤師
からしても救世主のような薬です(笑)。

なお、小さいお子さんで錠剤が飲めない場合は、潰して飲んでも大丈夫です。
また、発売当初から粉のお薬も上市されると言われていましたが、残念ながら
まだ発売には至っていません。

懸念事項として、発売直後から耐性ウイルスが出やすいのではないかという
ニュースが出回り、これは現在研究が継続されている状況です。

ただ、治療効果は他の薬とほぼ同等、解熱期間はタミフルよりも少し早い
言われています。

5.麻黄湯(漢方薬)

最後は少し変わり種で、インフルエンザ専用のお薬ではありませんが、漢方薬の麻黄湯というお薬はインフルエンザの初期に保険適用があります。

上記のような抗ウイルス薬をどうしても服用したくない場合などに候補となります。

ただ、漢方特有の苦みは少なからずあるので、「タミフルドライシロップが苦くて飲めないから代わりに」という点からは微妙です。

麻黄湯の詳しい解説は以下でもご紹介しています。

麻黄湯の成分や効能・類薬との違い・味・おすすめ市販薬
麻黄湯とは麻黄湯(まおうとう)は、風邪の初期などに用いられ漢方薬です。ちょっと専門的に表現すると、「悪寒、発熱、頭痛、腰痛、自然に汗の出ない症状」に用いられます。ちなみに、インフルエンザの初期に対する使用に保険適応...


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