喘息に用いるステロイド吸入薬の種類と違い

薬総合

はじめに

現在、小児喘息や気管支喘息の治療にはステロイドという種類の吸入薬が用いられる
ことが多くなっています。

ステロイドの吸入薬は非常に有用なお薬ですが、注意点もいくつかあります。
今回は、そんな吸入ステロイドについてご紹介します。

まず、吸入ステロイド全般に言える特徴です。大きく分けて2つあります。

吸入ステロイドはコントロール用の薬

1つめの特徴ですが、ステロイドは喘息発作(咳やゼーゼーした症状)が起こりにくく
するお薬であり、すでに激しく起こってしまった症状を鎮める薬ではありません。

ですので、激しい咳が出てしまったからといって、医師の指示以上に追加使用するのは
やめましょう。(ただし、例外的に量の自己調節が可能な薬もあります)

決められた量をきっちり毎日継続することが、効果を最大にする重要なポイントです。

副作用対策のうがい

2つめの特徴ですが、吸入した後に口の中に残ったステロイドが、口の中の粘膜で
悪さをして口腔カンジダ(カビの一種)や口内炎を起こすことがあります。

ただし、これは吸入後のうがいをしっかり行うことにより、かなり予防することが可能
です。うがいのできない乳幼児の場合は、水やお茶を飲むのでも問題ありません。

以上が、ステロイド全般に言える特徴です。

次に、それぞれの具体的なステロイドの吸入薬の種類と違いについてご紹介します。

キュバールエアゾール

20年ほど前に上市され、歴史あるお薬です。
キュバールエアゾールの主な特徴は以下の点です。

・エアゾール(霧)タイプなので乳幼児に使いやすい
・粒子径が小さいので肺の深部に届きやすい
・残量計が無いので残り回数が不明瞭(スタート時は残り100回)
・エタノール臭がある

フルタイドエアゾール

キュバールと同じくらい歴史のあるお薬です。
フルタイドエアゾールの特徴は以下の点です。

・エアゾール(霧)タイプなので乳幼児に使いやすい
・炎症を抑える作用が比較的強いと言われている
・残量計が無いので残り回数が不明瞭(スタート時は残り120回)
・エタノール臭がない
・気管支拡張剤と合わせたアドエアという上位製剤への導入に使える

フルタイドロタディスク

フルタイドエアゾールとお薬の成分は同じで、製剤だけ異なるものです。
フルタイドロタディスクの特徴は以下の点です。

・4吸入(4回分)から処方可能なので、お試しに向いている
・残り回数が非常に分かりやすい
・ドライパウダー(粉)製剤なので、自力で吸う力が必要
・その粉により、咳を誘発しやすい
・薬をセットするのが全吸入薬の中で一番面倒くさい

フルタイドディスカス

やはり上の2つと成分は同じで、製剤が異なります。
フルタイドディスカスの特徴は以下の点です。

・入っているドライパウダー(粉)はフルタイドロタディスクと同じ
・フルタイドロタディスクよりもセットの手技が楽
・残り回数は非常に分かりやすい(ただし60吸入用しかない)
・フルタイドロタディスクで効果があって、長期間続ける予定の場合に向いている

オルベスコインヘラー

キュバール・フルタイドよりは少し新しいお薬です。
新型コロナウイルスにも効果があるかもしれないと報道されたこともありますが、
2020.06時点では不明です。
オルベスコの特徴は以下の点です。

・エアゾール(霧)タイプなので乳幼児に使いやすい
・肺に留まる時間が長いため、1日1回の吸入で済む(他は2回が多い)
・残量計が無いので残り回数が不明瞭(スタート時は残り56回または112回)
・エタノール臭がある
・肺で活性化するので、口内炎などの副作用が少ない
・効果はやや控えめなので、症状が安定した患者向け

パルミコート(ブデソニド)吸入液

これもキュバール・フルタイドよりは少し新しいお薬です。
パルミコート(ブデソニド)吸入液の特徴は以下の点です。

・ネブライザーという専用の吸入器にセットして使うので、乳児にも使える
・霧が出続けるのをずっと吸っていないといけないのが大変
・高額なネブライザーを自費で購入しないといけない可能性が高い

パルミコートタービュヘイラー

上のパルミコート吸入液と成分は同じで、製剤が異なります。
パルミコートタービュヘイラーの特徴は以下の点です。

・ドライパウダー(粉)製剤だが、粉が少ないので咳き咽せしづらい
・残り回数は比較的分かりやすい
・妊婦に対し最も安全な吸入薬とされている

まとめ

いかがだったでしょうか。
他にもステロイドの吸入薬はありますが、代表的なものをご紹介させていただきました。

ただし、繰り返しになってしまいますが、最も重要なのは、きっちり吸入することです。

うまく吸えないのに、主治医に言い出せずに「吸っています」と答えるのが実は一番
治療に悪影響かもしれません。

もし現在の吸入薬に何か不都合な点があれば、医師もしくは薬剤師に相談して下さい。

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