胃薬の種類や強さの比較・使い分けについて

消化管用薬

「胃薬」とは

日常でも何気なく口にすることのある「胃薬」という薬があります。
「胃腸薬」と言ったりすることもあるかもしれません。

ただ、「胃薬」のいうのは俗称で、実際には非常に多くの種類の薬の総称です。

例えば、以下のようなものがあります。

①胃酸の出過ぎを抑えたり胃の粘膜を保護したりて、胃が荒れにくくするお薬

②悪くなった胃腸の動きを改善するお薬

③消化を助けたり、食欲を増やしたりするお薬

これらの薬を一般的に「胃薬」と表現することが多いと思います。

また、漢方薬では、これらの効果のある生薬を複数組み合わせたりしています。

今回は、そんな胃薬の分類・種類・強さの比較や使い分けなどについてご紹介します。

胃薬の種類

冒頭でも述べましたが、大まかに胃薬を分類すると、以下のようになります。
最初に専門用語も含めて書かせていただきます。

分類(大)分類(中)分類(小)代表的な商品
(カッコ内は成分)
消化性潰瘍治療薬攻撃因子抑制薬プロトンポンプインヒビター
(PPI)
タケプロン
(ランソプラゾール)
  ブロッカーガスター
(ファモチジン)
防御因子増強薬ムコスタ
(レバミピド)
消化管運動機能改善薬 健胃薬S・M散
(配合剤)
ドパミン受容体拮抗薬ナウゼリン
(ドンペリドン)
  セロトニン受容体拮抗薬ガスモチン
(モサプリド)
消化酵素薬エクセラーゼ
(配合剤)

少し難しい言葉が多いので、簡単にかみ砕いて説明します。

消化性潰瘍治療薬

消化性潰瘍とは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のことを指します。
胃潰瘍と言うと何やら恐ろしいですが、軽い胃炎など胃荒れに関する疾患全般を含みます。
ですので、消化性潰瘍治療薬は「胃荒れに関連する病気を治療もしくは予防する薬」という感じの分類になります。

そんな消化性潰瘍治療薬は、さらに大きく2つに分かれます。

攻撃因子抑制薬

防御因子増強薬

胃が荒れる原因は大きく分けて2つです。
胃を攻撃する因子(胃酸)の働きが強すぎるか、胃の粘膜を防御する因子(胃粘膜)の働きが弱っているか、です。

そこで、薬の働きとしては胃酸が出過ぎないようにしてやる(=攻撃因子抑制)か、胃の粘膜を守るバリアを増やしてやる(=防御因子増強)ということになります。

これらの薬の詳細な解説は、別の記事にて行います。

消化管運動機能改善薬

続いて、消化管運動機能改善薬という分類の胃薬もあります。

胃や腸の動きが悪くなると、消化が悪くなったり気持ち悪くなったりするため、それらの
症状を改善するお薬です。

「吐き気止め」として使用されるお薬も含まれています。

吐き気止めに関しては、別記事でご紹介しています。

消化酵素薬

最後の分類は消化酵素薬です。これは読んで字のごとくですね。

食べ物を消化する酵素を補充してやることで、胃もたれなどの症状を改善します。

高齢の方には胃薬と言ったらこれのイメージが強いのかもしれません。

胃薬としての強さ

上で述べてきたように、そもそも作用が色々異なるので、単純に「強さ」を競うことはできません。

ただし、最も深刻と思われる「胃潰瘍」を治療する上で必須になるのは「消化性潰瘍治療薬」で、その中でも「防御因子増強薬」よりも「攻撃因子抑制薬」の方が強力な薬と言えます。

さらに、その攻撃因子抑制薬の中の分類である「プロトンポンプインヒビター」と「Hブロッカー」では、前者の方が強力な作用のあるお薬です。

胃薬の使い分け

ここまで読んでいただいた方ならだいたい予想が付くと思いますが、これらの胃薬は以下のように使用されます。

胃潰瘍・胃炎などの胃荒れが原因となる疾患
→「消化性潰瘍治療薬」

何らかの胃腸系感染症や加齢などで胃腸の機能が低下した
→「消化管運動機能改善薬」

消化酵素の不足などで胃もたれが起きている
→「消化酵素薬」

さらに、症状によってはこれらを併用することも多いです。

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